コロナ禍で商願件数は減っているか調べてみた

2020年の春、新型コロナウィルスが世界で流行しました。ウィルス自体が最初に猛威を振るったのは中国・武漢でしたがグローバリゼーションで多くの人が行き来する世界で、ウィルスを封じ込めることなど不可能でした。

日本を含め多くの国・地域でたくさんの人が苦しんでいます。この現状を打破しようとウィルス対策のために新しい薬を開発したり、新しい商品・サービスも必要になり、準備を進めているかもしれません。そういった新しい商品・サービスの動向を探る方法として公開される商標のデータを活用する方法があります。個人的に特に気になっているのは、商標登録出願の件数が減っている場合には今後の特許庁の審査期間は将来的には短くなるのかな、その場合はお客さんに報告する際の審査期間に柔軟性を持たせなきゃ、、というのがありました。

そこで、新型ウィルスの影響で商標の出願件数が減ったのかどうか調べてみました。2020年の1月から5月までの一ヶ月毎の出願件数を調べて、おととし・前年のデータと比較してみます。

出願件数の調べ方

出願件数は特許庁情報プラットフォームのウェブサイトにて調べます。出願日の項目に今回調べる期間の日付を入力し、検索ヒット件数に表示された数字を基準に集計していきました。後述している表2の作成データ時には一部出願人を除いた出願件数を検索しました。

出典:特許情報プラットフォーム

2020年1月から減少傾向

上記のように出願日を基準として各年各月の出願件数を調べていき2018年から2020年の1月から5月までの出願を検索してヒットした件数をメモしてまとめたものが次の表となります。最近の商標登録出願の傾向として、ザックリひと月に1万件~2万件前後の出願数があることがわかります(表1)。

政治的な側面としては緊急事態宣言が4月7日に出され5月25日に解除されました。しかし実際には2月の時点で自粛ムードが世の中でただよっていましたので2月から新規出願件数は減っているだろうと思っていたのですが、実際は1月もおととし・前年と比べて減っていました。そして、自粛ムードの明け始めた5月からは出願件数も復調しています。2020年の5月の出願件数は去年より多いものの一昨年よりは若干少ない感じです。。1~4月の間に控ていた出願が一気に5月に殺到したのでしょうか?

2020年5月もやはり減少

さて、商標の出願事情に詳しくない方はご存知ないかもしれませんが、近年の出願にはライセンスビジネス目的で特許庁に大量の手続きを行っている業者(個人)が存在します。その行為の是非をココでは論じませんが、なにしろ数がとても多く無視できないデータ数なので、当該事業者とその代表者である個人(自然人)の出願を除いた出願件数も調べてみました(表2)。

すると、復調傾向に見られた5月の出願件数も実際は前年同月比で大きくマイナスであることがわかりました。一部事業者が5月に8000件近くの出願を行っていたみたいで、その出願を除くと一万を割っているということで新型ウィルスの影響を受けて劇的に減っている感じです。悲しいですね。

まとめ

今後の数を追っていかないといけませんが、2020年の上半期の商標登録出願件数は前年と比べても多きく減少することは間違いなさそうです。現在弊所では新規商標登録出願の出願時の報告として通常の審査期間は12ヶ月~14ヶ月と案内していますが、このままの出願件数が推移していくと気持ち早くなるように案内しないといけないのかな、、でも当面はこのままでもイイかなという感触です。

以下営業です。
現在、わたし達の世界では、新型ウィルスのためにたくさんの人が困っています。新しい商品・サービスで世界を救う、、とまではいかなくても、より住みやすい世界にするのは貴方かもしれません。商標登録、自分でする場合以外は専門家にお任せください。セージ弁理士事務所は初めて特許庁に手続きされる方には直接面談・オンライン面談にてお客様の要望を聞いてから手続きします。お問い合わせはコチラから。

By |2020-12-12T12:31:46+09:006月 26th, 2020|