商標登録の更新とは?

商標権は、他の知的財産権(特許・実用新案・意匠)とは違って更新できます。更新とは「さらに新しくする・あらためて新しくする」といった意味ですが、原則10年の商標権の有効期間をさらに10年、一応の期限の区切りはつくけど改めて10年、権利が生き続けますよ、という手続きをすることです。

特許は、世の中にない新しい物や方法等を開発した人(会社)なので、ある一定程度の期間、ひとり占めしてその発明を使ったビジネスができるのです。でも、あまり長いことその独占を認めてしまうと値段とかもその会社の言いなりになってしまったり、同業者もその発明を使って商売をしたいので、20年とか25年とか権利に区切りがあるのです。お薬屋さんで聞く「ジェネリック」は特許権の切れた発明を使ったお薬ですね。

商標権は有効期間を更新できる

商標の場合は、長く使えば使うほど、ビジネスがうまく行けば行くほど、そのマーク・ロゴ等の商標に信用が積もっていくと考えられています。同じ商品・アイテム・サービスでも有名ブランドの方が値段が高いのは、「長く商売をしているところだから良い商品を作り続けている・今回買うこの商品もきっと良いものだ・新サービスだけどあそこの会社だったら間違いないかな」という信頼・期待のもとに、ちょっと高いけどその商品を手に取ったり、そのサービスを受けているという側面があります。

そんな商標権にウムを言わさず区切りが来たらどうでしょうか? 商標権が切れるということは、そのマークに似たマークの商品、パクり商品・サービスが市場にたくさん発生することになります。それは商標について定める商標法の目的にも反してしまいます。使う側だけでなく私たち消費者・ユーザーも混乱するからです。

商標法 第1条(目的)
この法律は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする。

権利満了日の6ヶ月前から更新できる

ということで、商標に関しては、特許庁に手続きをすることで、権利の更新ができるのですが、最近のサブスクリプションサービスのように「更新しない」と伝えない限りずっと更新し続けるという制度であれば、楽はラクです。しかし権利期間は10年もあります。10年後にはその商標を使うことがなくなっていたり、残念ながら始めたビジネスそのものを止めてしまっているかもしれません。ということで、特許庁に商標の更新手続きをしない限り権利は自動更新されません。運転免許証みたいなものですね。手続きが必要です。

では、いつからいつまで更新できるのでしょうか? 運転免許証だと誕生日前後の1ヶ月間(合計2ヶ月)とかだったりしますが、商標権の場合は、基本は権利がある最後の日から6ヶ月の間です。免許証のプラス1ヶ月のように、最後の1日が過ぎても原則プラス6ヶ月はギリセーフ(商標権が無くならないで手続き可)だったりしますが、特許庁に通常より高いお金を払わないといけないので早め早めに手続きしちゃいましょう。

更新期限のイメージ(平成最後の日が権利満了日の場合)

ということで、自分で商標権を取った人などはナンガツ頃に登録証が来たか、とか「春だったような、、」とか大雑把に季節を覚えているのも良いですね。一番良いのはウェブベースやアプリのカレンダーに登録したり、期限を忘れないためにも、登録証を額に入れてお店なり事務所なりに飾っておくのもおススメです。

特許庁がリマインドメールくれる

商標権は10年で切れるのですが、なにせ10年ですから、何時頃切れるのかうっかり忘れてしまうこともよくあります。個人だったり、会社で担当者が一人で管理しているなんて状況の場合はなおさらです。もしその期限を誰かがリマインドしてくれると良いですよね。

この記事を書いている2020年4月1日から、特許庁で、『特許(登録)料支払期限通知サービスというWebサイトが開設されました。メールアドレスと商標登録の番号を入力することで、更新手続き期限が近付いてきたらメールで連絡してくれるサービスのようです。

外部に期限管理をお願いしていない個人の方や自身の会社で期限管理している方は使用を検討しても良いのではないでしょうか?わたし自身も事務所名の商標登録を持っていますので、当該サービスに登録してみました。動画をとりながら画面操作してみましたので、参考にして頂ければ幸いです。

動画内で、リマインドメールが1年とかで、設定できるような言い方をしてましたが、勘違いです。納付期限内で任意(ひと月単位の設定ができる)みたいなので、リマインドメールの通知期限は5月とか1月とかにすると良いでしょう。

まとめ

今回の記事は商標権の更新について確認しました。大企業のように国内・海外にたくさん登録商標がある会社は外部に期限管理してもらったりしてるケースもありますが、件数が少ないと自分のとこで管理することもあると思います。特許庁が新しく始めたサービスを使ってみるものいいかもしれませんね。

ちなみにアイキャッチ画像は更新、コウシンからの香辛料です。現在、ウィルス蔓延して辛い状況ですが、免疫力高めてワクチンが開発されるまで健康に気を付けましょう。

以下、営業です。
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By |2020-04-22T19:20:28+09:004月 1st, 2020|