徳島の地域ブランドって?(地域団体商標)

地域の特産品は、旅行等に行った時に食べたり飲んだり、買って帰ってその思い出を友人や知人とシェアしたいものです。でも、何がその地域の特産品なのか、よくわからないこともあります。学校に通っていたころは教科書に書いてあったような気がするのですが、もう忘れてしまいました。そんな時に、役に立つのが地域団体商標です。

地域団体商標は地域ブランドとしてある地域で商品・サービス等をブランド化してがんばっていこう!と思っている団体などが特許庁にその地域と商品等を組み合わせたブランドネームを商標登録する制度です。もしニセモノが出回るようなことがあったらその商標権に基づいて差止め等することもできます。

この地域団体商標、以前はどんな地域のどんな商品等が地域ブランドとして登録されているのか調べにくかったのですが、2019年の商標検索サイトのリニューアルにより、当該商標に絞って検索できるようになりました。また、リニューアル機能の一つとして、出願人や商標権者の住所(国内:都道府県、海外:国別)でフィルターが掛けられることも出来るようになったので、都道府県別でもサーチすることが可能となりました。この記事では、地域ブランドの調べ方について書いていきます。

検索オプションで地域団体商標をチェック

商標検索は独立行政法人工業所有権情報・研修館の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)から調べられます。特許や意匠といった知的財産権(工業所有権)も調べられるのですが、商標に絞って検索する場合は、商標検索ページからスタートします。

通常、ブランドネームを検索する場合は、商標(マーク)パネルの商標(検索用)や称呼(単純文字列検索)を利用してブランド名の出願・登録有無を調べるのですが、今回のテーマは地域ブランドの検索ですので、検索オプションパネルから検索スタートします。

出典:J-PlatPat

開く又は+ボタンを押して、検索オプションの項目を開いてください。すると次ような画面が出てきますので、上から3項目目(出願種別)の地域団体商標をチェック(クリック)します。

この状態で検索ボタンを押すと、地域団体商標制度の受付けが始まった2006年4月1日からの全国の地域ブランドが確認できます。記事を書いてる時点で、現在審査中のものも併せて合計739件の地域ブランドが商標として特許庁に登録・出願受付されているようです。 一都道府県あたりで平均15~16個の地域ブランドがありそうです(739 ÷ 47 = 15.723404…. )。

出願人・権利者の住所から絞る

地域団体商標だけで検索でヒットした地域ブランドは、たくさんあって、ちょっと多すぎます。自分の地元だけの情報を知りたいな、とか今度あそこに行くんだけど、どんなオイシイものがあるのかな、、といった場合には、その地域で絞って検索できると良いですよね。リニューアルされた商標検索サイトは、商標をもっている権利者の住所、出願した状態のものだと手続きを行った人の住所から情報をピックアップすることが出来ます。

検索方法はカンタンです。検索オプションパネルの一つ上のブロック、「その他の検索キーワード」パネルから住所を限定します。「V」またはvの右側の四角のアイコンを押すと、出願人など・国内代理人・異議申立人・出願人住所など・etcの表示がされるので、「出願人/権利者/名義人住所」を選択します。

キーワードの欄が青っぽくなるのですが、ここから直接、入力することはできなくて、その右側の住所検索の文字またはアイコンをクリックすることで、都道府県(国名)の入力・選択画面に遷移できます。

あとは、都道府県を入力するか、画面の下の方から都道府県(国名)を選択して決定ボタンを押せば大丈夫。これで、住所でのフィルターがかかりました。検索ボタンをまた押してみましょう。

徳島の地域ブランドは?

今回は四国地方の 徳島県 を調べてみます。出願人/権利者の住所で、徳島県を指定して、地域団体商標のチェックを入れ、検索ボタンを押すと、2019年10月のこの記事を書いてる時点で、5件の登録があることがわかります。

あれ?でもこの記事を書こうとおもったきっかけの「なると金時」が入ってないんですよね。と思ったら、なると金時の商標権者は全農(東京都)なんですね。上記の検索の仕方ではヒットしないはずです。過去記事も見直さないといけません。ということで徳島は6件かな。

基本的に農産物が多い地域団体商標の中で、ユニークなのは「仏壇」です。そっかー、徳島は仏壇推しなんですね。これは、業界の人じゃないと知らないかも。その他の徳島県の推しブランドは、「さつまいも」「ねぎ」「らっきょ」「お米(山田錦)」があります。地域名で読みにくそうなのは「渭東」かな、「いとう」です。最後に「しじら織」というのを知らなかったのですが、1860年代中頃からの織物を祖として改良された綿織物だそうです。京都の西陣織みたいな感じで、全国的に知られるようになればいいですね。私だけ無知で知らなかっただけでしたららゴメンなさい。

以下、営業です。
地域団体商標の商標登録の手続きをお考えですか?地域団体商標は、通常のブランドネームより、提出書類が多いのでちょっと手間がかかります。自身の団体で手続きするのではなく、専門家に頼みたいなという場合は、ぜひ弊所にご依頼ください。
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By |2020-05-19T09:45:17+09:0010月 19th, 2019|