民間試験サービスを提供する方も商標登録を!

商標の世界にサービスマークという言葉があります。これは、商品の商標とサービスを区別する時に使うコトバなのですが、むかしは、サービスに関する商標は特許庁に登録することは出来ませんでした。しかし、1992年4月1日から出願を受付け始め、サービスの商標も登録が可能となりました。

サービスと言っても色々なサービスがありますが、今回取り上げるのは「試験」です。中学校や高校、大学の中で行われる学習の理解度をはかる試験はビシジネスではないですが、それ以外にも世の中には色々な試験があります。国家資格の試験から民間資格の試験、それぞれにはその試験の内容に即した名前が付けられているのですが、同じジャンルではどのようなネーミングで差別化しているのでしょうか? 2019年11月初旬にニュースとなった大学入試に活用されるはずだった民間英語試験を例にネーミングについて学びましょう。

Cambridge English Qualifications 

英国登録 UK00003268181

ケンブリッジ大学英語検定機構が行なっているケンブリッジ英語検定です。イギリスのケンブリッジ大学の一部門が行なっている英語の実力を測る試験です。日本では関連の商標登録が見つからなかったので、本国(イギリス)の登録商標を紹介します。英語では「Cambridge English Qualifications」といいます。

ケンブリッジが大学名(地名)、イングリッシュは内容ですね、何のテストかというと英語のテストですから、そしてクォリフィケーション、和訳すると資格・検定といった意味ですのでこちらも内容にあたります。3つの内容を表す単語を続けて、一つの商標となっています。

権利者が、The Chancellor, Masters and Scholars of the University of Cambridgeとなっているのが興味深いですね。組織ではなく、人が権利を所有している感じです。

TOEFL iBT 

米国登録 3953133

次に紹介するのは「TOEFL」です。試験の実施機関はアメリカのEducational Testing Service(エデユケイシヨナル テステイング サ-ビス)さんです。上記登録商標も同人となっています。アメリカ留学などする人が受けているイメージがあります。 文科省(大学入試センター)の資料にはTOEFL iBT®テストとあります。この®はアメリカ等で登録商標を示すマークとして使われています。USPTO(アメリカの特許庁にあたる機関)で調べたところ、上記の登録商標が確認できました。日本でも、TOEFLは登録されてます。

なぜ、TOEFLというネーミングかというと、正式名称が Test of English as a Foreign Language(外国語としての英語のテスト)といい、その単語の太文字の部分を読んでトフルとなっています。アズ アのところは入れないんですね。

IELTS  

豪州登録 735622

次に紹介するのは、アイエルツです。試験実施主体は、IDP:IELTS Australiaです。正式名称は「 International English Language Testing System 」これも、英単語の頭文字をつなげてブランドネーム(資格名)にしています。

上に紹介しているのはオーストラリアの登録商標で、権利者は Ielts Australia Pty Ltd です。

この試験はオーストラリアで自分受けたことありますよ、約20年前くらいに。さっき試験結果を見直してみたらオーバーオールバンドが6.5でした。Speakingのテストが5で一番悪かったです。

GTEC  

日本商標登録6066534

ジーテックです。実施機関は株式会社ベネッセコーポレーション。今まで見てきたのは海外の教育機関が実施している英語テストでしたが、これは日本の教育サービスを行なっている進研ゼミ・こどもチャレンジでお馴染みのベネッセさんのサービスですね。ということで、上記商標は日本の特許庁に登録してある商標見本です。ちなみにベネッセさんは「GTEC」関連の登録商標を標題のものも含めて4つ持っています。

GTECは英語の頭文字をとったネーミング方法を採用しています。IELTSと同じですね。正式名称は「Global Test of English Communication」です。英語の試験と言えば、日本ではトフルやトーイク(TOEIC)とT音の試験が多いなかで、Gから始まるネーミングは新鮮です。

英検

日本商標登録6017206

最後に紹介するのは、英検です。正式名称は実用英語技能検定ですね。実施機関は公益財団法人日本英語検定協会さんです。上で紹介しているのは色が付いてて目立つ感じですが、文字だけの「英検」もしっかり登録されています。ネーミングは内容を表したものを省略したもの、と言えることができるでしょう。

調べてみたわかったのですが、英語検定協会さんの登録商標の数は、この記事を書いている2019年11月時点で117個もあります。すごい数です。

英検は、中学の時に受けたことがあります。3級でしたが合格できて良かったです。その試験を受ける時に「I beg your pardon」というフレーズを覚えた記憶があります。3級からちょっとした会話の試験があったんですよね。今はどうなんでしょう。

まとめ

どの試験サービスもそれぞれの国で商標登録しています。そして安心してビジネスをする為に多くは日本でも登録しています。英語だったら頭文字をつなげてブランドネームにしたりするのが多いですね。日本語だと、略称も商標登録すると更に安心してビジネスが行えますね。

以下、営業です。
英語の名前をつけるなら、頭文字をつづけてブランドネームにするのもアリです。いいブランドネームを思いつきましたか? 自分で手続きするのでないのでしたら、弁理士に任せるのがおススメです。セージ弁理士事務所は初めて特許庁に手続きされる方には直接面談・オンライン面談にてお客様の要望を聞いてから手続きします。お問い合わせはコチラから。

By |2019-11-12T13:31:16+09:0011月 6th, 2019|