無効審判とは?

商標出願して、登録になった後、登録ホヤホヤぐらいの時に、その登録を取り消す手段として異議申立て制度があります。 異議あり!とクレームを入れることが出来るのは、公報が発行されてから2ヶ月間でした(異議申立はココの記事で)。

では、その期間を経過した問題のある商標に対しては、何らアクションが取れないのでしょうか? 登録された商標なんて、たくさんありますし、2ヶ月なんてあっという間です。自分の持っている商標権とカブりそうなものや、自分のとこの商品と間違えるようなのが、もし審査官が見逃していたら、、、。

こんなことを想定して、商標法等には無効審判制度と呼ばれる制度が存在します。
今回の記事では、無効審判制度について紹介します。
あ、でも無効審判の請求も、原則、登録後5年間しかできないので注意が必要です。

無効とは、初めから存在しなかったものとみなす、こと

無効の反対の意味の言葉は、有効。「有効」は、柔道なんかで、聞かれるフレーズですね。技が決まった! 有効!って。 無効は、日常生活で使うかなぁ?と思ったら、何か約束をしていて、でもなかったことにしたい時なんかに使いますかね。「あの時のは無効ね。」とか。

意味は、なんとなくわかるかと思いますが、何かの効力を生じさせないこと、です。商標権の場合は、審査されて登録されると発生するのが商標権ですが、審査などに問題があった、やっぱり商標権は、原則、初めから発生させません、とすることです。

無効となった「阪神優勝」

商標権が無効となった有名なケースに、登録商標「阪神優勝」(登録番号4543210号)があります。
「阪神優勝」って聞いて、何を想像しますか? スポーツに余程詳しくない人以外は、あぁ、野球の阪神が優勝したんだな、優勝関連グッズの商品に使うのかな、とか思うのじゃないでしょうか?

しかし、この「阪神優勝」商標、株式会社阪神タイガースとは全く関係ない人(千葉県の男性Tさん)が所有していたんです。

どうゆう流れで登録・無効になったのか

まずは、出願や登録の流れを見ていきましょう。時系列は、「パテント2004 Vol.57」の当該事件を扱った記事を参考にさせていただきました。

グレーがT氏、黄色が阪神タイガースです。

Tさんが、①の商標を出願したところ、登録されてしまいました。 そこで、Tさんはその後、商標②の出願(4件)も行います。 Tさんの②の商標出願後に、シーズン好調だった阪神タイガースが表一番右の商標出願を行います。今度は、Tさんの②の商標は拒絶理由が通知されます。その後、阪神タイガースの出願は、Tさんの登録商標が原因で、拒絶されます。

3ヶ月前後して、この問題がマスコミで取り上げられ、どういうことやねん、ということで、阪神タイガースもこの商標をつぶしにいきます(無効審判請求)。
その後、Tさんの商標②は、4条1項7号4条1項15号を理由として、拒絶査定となり、この年の末には、やっぱり商標①も問題があったよね、ということで無効となりました。

審判はめんどくさいもので、双方いろいろ主張したのですが、最終的な審決文の結論部分は、こう言ってます。

 結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認められるから、請求人のその余の主張について検討するまでもなく、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものとする。

ついでに、4条1項15号も見ときましょう。

第4条 次に掲げる商標については(中略)商標登録を受けることができない。
十五 他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)

要は、阪神タイガースと関係がある商品かな?と思って買っちゃう人がいるからダメってことですよね。

関連する商標の条文は?

最後に、関連する商標法の条文を貼っておきますね。

(商標登録の無効の審判)
第46条 商標登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その商標登録を無効にすることについて審判を請求することができる。この場合において、商標登録に係る指定商品又は指定役務が二以上のものについては、指定商品又は指定役務ごとに請求することができる。
一 その商標登録が第三条、第四条第一項、第七条の二第一項、第八条第一項、第二項若しくは第五項、第五十一条第二項(第五十二条の二第二項において準用する場合を含む。)、第五十三条第二項又は第七十七条第三項において準用する特許法第二十五条の規定に違反してされたとき。
二 その商標登録が条約に違反してされたとき。
三 その商標登録が第五条第五項に規定する要件を満たしていない商標登録出願に対してされたとき。
四 その商標登録がその商標登録出願により生じた権利を承継しない者の商標登録出願に対してされたとき。
五 商標登録がされた後において、その商標権者が第七十七条第三項において準用する特許法第二十五条の規定により商標権を享有することができない者になつたとき、又はその商標登録が条約に違反することとなつたとき。
六 商標登録がされた後において、その登録商標が第四条第一項第一号から第三号まで、第五号、第七号又は第十六号に掲げる商標に該当するものとなつているとき。
七 地域団体商標の商標登録がされた後において、その商標権者が組合等に該当しなくなつたとき、又はその登録商標が商標権者若しくはその構成員の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているもの若しくは第七条の二第一項各号に該当するものでなくなつているとき。
2 前項の審判は、利害関係人に限り請求することができる。
3 第一項の審判は、商標権の消滅後においても、請求することができる。
4 審判長は、第一項の審判の請求があつたときは、その旨を当該商標権についての専用使用権者その他その商標登録に関し登録した権利を有する者に通知しなければならない。

少し長くなりましたが、商標の無効審判について紹介しました。
2020年のシーズン終盤ですが、今年の優勝は巨人とソフトバンクでしょうか?

ということで、以下営業です。
ある登録商標の利害関係人で、その登録商標を無効にしたいですか?
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By |2020-10-08T08:24:48+09:001月 18th, 2019|
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