商標の歴史

このブログの最初の方の記事で、「商標とは?」という内容で、商標は”しるし”であり、商品・サービスを区別するものということを解説しました。

それでは、そもそも、商標はいつから使われ始めたのでしょうか?
また、今のような商標制度になったのはどこの国が発祥でしょうか? 今回は、そのあたりを記事にしていきたいと思います。

商標制度のオリジンは、イギリスかフランス

インターネットで商標の歴史を調べると、ウィキペディアの英語版に以下のような記載が見つかりました(以下 Wikipediaより引用)。https://en.wikipedia.org/wiki/Trademark#History

商標の論文では、ローマ帝国で剣を作った鍛冶屋は、商標の最初のユーザーであると考えられています。長い間使用されてきた他の有名な商標には、1383年以来ライオンマークの使用を主張しているレーベンブロイ(ドイツのビールのブランド)などがあります。最初の商標法は、1266年にヘンリー3世の治世の下、英国の国会議事堂で制定されたもので、すべてのパン屋は、パンを販売する際に独特の印を使用する必要がありました。

最初の近代的な商標法は19世紀後半に現れました。
フランスでは、世界で初めての包括的な商標制度が1857年に「製造と商品マーク法」によって法律に可決されました。
英国では、1862年マーチャンダイジングマーク法(Merckandise Marks Act 1862)は、他人の商標を詐欺の意図または他人の詐欺行為を模倣することを犯罪としました。 1875年に英国特許庁に公式に認められた登録制度を有した商標登録法が成立しました。登録は商標の所有権の一応証拠の能力を有するものとみなされ、1876年1月1日に商標の登録が開始された。1875年法は、登録可能な商標を「図形、標章、個人または企業の印刷物。(以下略)

英国の商標法1938は、「使用意思」の原則に基づく最初の登録制度を設立した。この法律はまた、出願公開手続を確立し、混乱が起こりそうもない場合でも商標権の禁止を含むように商標権者の権利を拡大した。この法律は、他の場所で同様の法律のモデルとなっていった。

まじめに翻訳しようと思ったのですが、Google translator先生にお願いしたら、ほぼ意味がわかったので、ほとんどGoogleの翻訳機能のまま採用しています。なお、「レーベンブロイ」の注釈を付けて年号をこちらで太字にしてみました、あと読みやすいように改行を加えました。

これを見ると、やはりというか、イギリスで最初に商標に関する法律が作られたみたいです。
日本の特許庁の制度紹介のページでは、1857年のフランス法を商標制度の最初としています。
まぁ、やっぱり、西洋由来ですよね。

日本では明治から

日本では、1884年(明治17年)に最初の商標法である「商標法条例」が制定されたそうです。その制度を利用した登録第1号は京都府の平井祐喜さんの膏薬丸薬(こうやくがんやく)の商標だったとのこと(下記添付イメージの右から登録1号~4号となっています)。近代制度が始まったのは明治からなので、「やっぱり」って感じですよね。

ちなみに、1号の商標は、板前さんが指を切ってしまった様子と言われています。指を切ったらこの膏薬(こうやく)を塗ってね、とうことでしょう。残念ながら、この商標は存続期間が切れている(権利がなくなっている)ようです。

現存する最古の登録商標は、お酒の銘柄

明治の中頃から始まった日本の商標制度。存続期間は特許などの他の知的財産権と違って、更新することで半永久的に維持することができます。しかし、ビジネスは成功すれば失敗もつきもの。残念ながら上記の最古の登録商標と同じ時期に登録されたブランドは現在、確認できません。

権利者が倒産したか、更新し忘れたか、はたまた新しいデザインにリニューアルして登録し直したか(古い権利は捨てた)、現在確認できる一番古い登録商標は「日本酒」に関するもので『寿海』という銘柄です。もし、あなたがお酒の席でこのブランドを飲む機会があった時は、「この銘柄は日本で現存する最古の登録商標なんだよ。」といったトリビアを披露するのも乙ですね(権利者は百万石酒造さんという灘の会社さんです)。

商標登録番号1655号の『寿海』

ということで以下営業です。
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By |2020-03-11T15:45:48+09:001月 17th, 2019|