公募して商願、プレス発表のタイミングは?
新しい商品・サービスを作ってもそのネーミングの良し悪しによってはそのセールスが変わってくるだろう、ということは予測がつきます。そのため企業などはそのネーミングを一般の人に考えてもらうことがあります。そうです、公募です。この方法を使うことによって組織の一部門または会社全体で考えるより、もっとフレキシブルなアイデアが集まってきます。
公募して全部出願する方法もあり
来年開催を迎える東京オリンピックのロゴマーク等もそうですが、五輪関連でいうとボランティアスタッフも愛称を公募していましたね。たくさんの候補の中からフィールドキャストに決まったそうですが、オリンピックもたくさんのスポンサーが関わっているビジネスなので、選ばれなかったネーミングも商標登録出願中です。
大会の組織員会は資金が潤沢?なので、集まったアイデアすべてを出願すればいいのですが、わたし達はお金を出来るだけ節約しないといけませんので、出願する件数は少なければ少ないほどいいです。オープンにして、全ての候補を出願するオリンピック関連の公募・商標登録のやり方はちょっと一般人の参考にはならなそうです。
環状線の新しい駅名も公募してました
他に公募して、商標登録(出願)として記憶に新しいところでは「高輪ゲートウェイ」があります。東京のJR環状線の新しい駅が40年ぶりにできるといことで鉄道好きな人も含めて大きく関心を呼びJR東日本は駅名の候補を広く意見を聞くために公募しました(以下ウィキペディアより引用)。
2018年6月にJR東日本が行った駅名の応募では64,052件、13,228種類の応募があり、1位が「高輪」で応募数は8,398件、2位が「芝浦」で4,265件、3位が「芝浜」で3,497件、4位が「新品川」と「泉岳寺」で同数の2,422件だった。なお、正式駅名に採用された「高輪ゲートウェイ」は36件で130位。
駅名は地名そのものということもあるので、商標登録と合わないところもあるのですが今回は違いました。決定したものが「地名+横文字」のネーミングです。ゲートウェイ(gateway)の和訳は「出入り口、入口」という意味。商標全体として同業種のひとが類似(同じの含む)のものを登録していなければ商標登録できそうですね。
社内で候補を絞り出願後、プレス発表する
ということで、この記事の本題、プレス発表・プレスリリースのタイミングを「高輪ゲートウェイ」商標を参考に見ていきましょう(この時系列もウィキペディアを参照させて頂きました)。
時系列を見ると、公募→商標出願→プレス発表となっています。一般的に公募してネーミングを発表する際に商標的に気を付けておきたいことは「出願公開制度」と「先願主義」ですね。
詳しくはリンク先の別記事を読んで頂くとして「商標・出願人名・指定商品など」が公に知られてしまうので、この公開情報よりプレス発表することになると、マスコミの方に「知ってるけどな、、」と思われてしまいます。最近は個人の方が公開公報の情報をツイッターで流してたりもするので、関心が高いものだとすぐバレます。
[商願2018-148368]商標:[画像] (標準文字) /
出願人:東日本旅客鉄道株式会社 /
出願日:2018年12月3日 /
区分:35(衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供ほか),36(… pic.twitter.com/xsytZvFYHa— 商標速報bot (@trademark_bot) December 22, 2018
「高輪ゲートウェイ」のケースではマスコミ発表の前日が出願日なので、発表を知った悪い人が「よしパクるぜ!」と思って同じネーミングを同業種に出願しようとしても先願主義、いわゆる早い者勝ちですので、パクリ出願も負けてしまうので安心ですね。
まとめ
公募したネーミングをオープンにする場合は、候補は全て出願手続きすることが良いでしょう。東京スカイツリーを決める際にも運営元は少なくとも20以上の案を商標登録の手続きを行いました(本命のみ登録料納付して権利化)。お金をそんなにかけたくないよ、、という場合は、決まった候補をヒソカに調査、いけそうだと確信が持てたら実際に登録手続きする、この流れでいいのではないでしょうか(海外にも、、となるとその後パリ優やマドプロの活用が必要)。
日本だけだとまだ、国内だけ気にしてれば良いのですが、これがグローバルブランドをゼロから作るとなると大ごとです。最近読んだニュース記事にポルシェの新しいブランド『Tycan』決めるの大変だったよ、というのがありました。海外も、となると、自分のとこだけで話しを進めないで国内、時には国外の知財事務所を巻き込んで慎重にプロジェクトを進めないといけませんね。
以下、営業です。
あなたもマスコミに取り上げてもらうような新商品・新サービスを準備中ですか?プレス発表してしまうと誰かがパクるかもしれません。その商標早めに登録手続きしときましょう。セージ弁理士事務所は初めて特許庁に手続きされる方には直接面談・オンライン面談にてお客様の要望を聞いてから手続きします。お問い合わせはコチラから。